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こんにちは。
バックネット裏(@baseballbacknet)です。
今回のテーマは各メーカーのアドバイザリー契約選手まとめです。
用具提供を受ける選手は数いれど、アドバイザリー契約選手を締結する選手はプロ野球選手の中でも選ばれし一流選手のみ。どのメーカーがどの選手と契約しているのか、この記事を読んで頂ければお分かりになるはずです。
アドバイザリー契約を結んでみたいけど、あえて結ばずに色々なメーカーを試すのもアリかも、などと叶わない夢をたまにみます。
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Contents
この記事の前提について
はじめにこの記事における前提を5点、整理しておきます。

①:情報の参照元は公式HP
※各メーカーが公式サイトで掲載している情報を最新情報としてまとめております。公式サイトに反映されていない情報については抜け・漏れが発生している可能性がございますので、あくまで参考情報としてご覧ください。
②:複数メーカーと契約する選手の扱いについて
※道具ごとにメーカーを分けて契約をしている選手もいますが、当記事においては契約選手を紹介するという主旨から該当するすべてのメーカーでカウントしています。(例:バットをSSK、グラブをasicsと契約する今江選手は両メーカーで契約選手として紹介します)
③:投手のバットとバッテの扱いについて
※投手が使用するバットとバッテ(バッティング手袋)については、計測対象外としています。
④:集計対象選手について
※現役選手かつ、NPBの球団に所属する選手を対象としています。(MLBの選手やOBのアドバイザーは対象外です。)
⑤:集計ポジションについて
※選手登録情報を参考に集計しています。(例:杉谷選手は内外野の守備に就きますが、内野手登録のため内野手としてカウントしています。)
以上を踏まえて本記事を読み進めてみてください。
メーカーはなぜ選手と契約するのか
そもそもなぜメーカーは選手と契約するのでしょうか。
本論に入る前にメーカーが選手と契約するメリットをまとめます。
私は、下記3点が主な理由であると考えています。
メリット①:そのメーカーをどこで知りましたか?
現在お持ちのグラブを思い返して欲しいのですが、そのメーカーをどこでお知りになりましたか?
「◯◯選手が使っているシーンをみたから」というケースが多いのではないでしょうか。
SNSが発達した現在にあっては、選手を媒介せずに各メーカーの発信やユーザー同士の口コミよって知ったというケースが増えつつあるかと思いますが、それでもやはりプロ野球選手が使用することによる露出効果はかなりのものがあります。
このように、メリットの1つ目はプロ野球選手に使用してもらうことによる「認知獲得」であると考えます。
メリット②:そのメーカーをなぜ選びましたか?
はじめてグラブを買ってもらった日のことを覚えていますか?
その時どのような理由でそのグラブを選んだか覚えていますか?
店員さんにオススメされたから?見た目がカッコよかったから?友達が持っているグラブと同じだから?
様々な理由があるかと思いますが、私の場合は「松井秀喜モデル」だったからです。当時、そのグラブが「ミズノ」であることは全く認識せず、ただただ松井選手と同じグラブが欲しい!という理由だけでそのグラブを選んでいました。(ちなみに、チームに入団してすぐに捕手になり、以来ずっと捕手一筋なのでそのグラブはほぼ使われることはなかったのですが…)
このように、契約選手が使用することで「指名買いの機会が増える」ということがメリットの2つ目であると考えます。
メリット③:そのグラブはどうやって生まれましたか?
“グラブ”という言葉から想起されるグラブの型は、読者の皆様の数だけあるのではないでしょうか。
投手用/捕手用/内野手用/外野手用というポジション別の違いはもちろん、同じ投手用でもグラブを使う人のクセや好みによってサイズや綴じ方、ウェブの形状、背面の紐の通し方などが全く異なるのは既知のことかと思います。
では、それらの仕様はどのように生まれたのでしょうか。
熟練の職人さんたちからのアイディアというケースももちろんあるかとは思いますが、多くの場合はそのグラブを実際に使用する選手たちからのフィードバックを重ねに重ねていく中で、というケースになるのではないでしょうか。
-このようなプレーをしたいからここをこのようにしてほしい
-ここにストレスを感じるからここをもう少し広めに設計してほしい
という具体的な要望がでる場合もあれば、
-何か違和感を感じる
-なんとなくしっくりこない
など、曖昧な要望まで、実際にプレーする選手たちのあらゆる声がフィードバックされ、商品開発・改良に生かされていきます。一流選手たちの生の声というものはかなり貴重なものであり、商品開発・改良に向けてはまさに金言とも言えるものです。
このようにメーカーにとっての3点目のメリットは、「商品開発・改良」に向けたアドバイスを貰えるからといえるでしょう。
メリットまとめ
繰り返しにはなりますが、改めて整理すると、メーカーが選手と契約することで以下3点の効果が期待できるといえるでしょう。
- 認知獲得
- 指名買いの機会が増える
- 商品開発・改良に向けたアドバイスがもらえる
次の章から各メーカーごとの契約選手をまとめていきますが、上記を念頭に置きながら契約選手を見渡してみることで、そのメーカーの戦略も見えてくるかもしれませんね。
※選手を”囲い込む”効果もあるかと思いますが、どちらかというと”大人の事情”的なネガティブな側面なのでここではメリットから除外して考えています。
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【2019年シーズン】各メーカーのブランドアンバサダー
では、いよいよここからが本論になります。
契約選手が多い順に紹介していきます。
①ミズノ
▼契約選手の人数は?
投手:18人 捕手:6人 内野手:14人 外野手:11人 合計:49人
NPBにおいて最も多くの契約選手を抱えるメーカーはミズノです。中日ドラゴンズを除く11球団に契約選手を抱えている状況です。各ポジションにバランスよく契約選手を抱えており、さすがメーカーシェア1位といった様子。
かつては、イチロー選手や松井秀喜選手など球界を代表する選手と契約を結んでいました。
契約選手を「ブランドアンバサダー」と呼んでいることが特徴的です。
アンバサダー(Ambassador)には”大使”や”伝道師”といった意味があり、契約選手を、世の中に対して共にブランドを発信していくパートナーであると考えているようです。
▼契約選手は誰?
以下の表をご確認ください。「投手→捕手→内野手→外野手」の順で選手をまとめています。

●:契約かつ使用 ▲:未契約かつ使用 ▼:契約かつ未使用
※中田翔選手の表記が誤っています(訂正準備中)
▼ポジション別の代表選手
各ポジション1名ずつ、私の独断と偏見でピックアップして紹介します。
・投手:菅野 智之 (ジャイアンツ)
・捕手:田村 龍弘 (マリーンズ)
・内野手:鈴木 大地 (マリーンズ)
・外野手:長野 久義 (カープ)

出典:デイリースポーツ
▼公式サイトではどのように紹介されているか
各メーカーの最後のパートで、公式サイトの選手紹介ページリンクを設置しております。
より詳しく知りたい方は是非リンク先でご確認ください。
ZETT
▼契約選手の人数は?
投手:15人 捕手:5人 内野手:3人 外野手:-人 合計:23人
ミズノに続いて契約選手が多かったメーカーはZETT。23人の契約選手のうち、約20%にあたる5人が捕手であることが特徴です(ミズノは約12%)。
かつては、古田選手(元スワローズ)、矢野選手(元タイガース)、里崎選手(元マリーンズ)など球史を代表する捕手もアドバイザーを務めていたことから、キャッチャーミットに対する力の入れようがうかがえます。
また、最近では源田選手の刺繍が入ったグラブを使用する選手も増えており、内野用グラブにおける存在感も急激に高まっている印象です。
▼契約選手は誰?
▼ポジション別の代表選手
・投手:千賀 滉大 (ホークス)

出典:日本経済新聞
・捕手:小林 誠司 (ジャイアンツ)
・内野手:源田 壮亮(ライオンズ)
・外野手:-(該当なし)※杉谷選手(ファイターズは内野手登録のため内野手としてカウントしています)
▼公式サイトではどのように紹介されているか
SSK
▼契約選手の人数は?
投手:7人 捕手:1人 内野手:8人 外野手:6人 合計:22人
ミズノ、ZETTに続いて契約選手が多かったメーカーはSSKでその数22人。
ZETTとは異なり捕手の契約選手はわずか1名。特徴的だったのは、かつて高橋由伸選手(元ジャイアンツ)もそうだったように、バットで契約している選手がいるということです。契約選手として紹介はされていないものの、バットはSSKという選手は一定数いるので、バットの質の高さはまさにプロのお墨付きといったところでしょうか。
▼契約選手は誰?
▼ポジション別の代表選手
・投手:石田 健大 (ベイスターズ)
・捕手:梅野 隆太郎 (タイガース)

出典:スポニチアネックス
・内野手:中村 剛也(ライオンズ)
・外野手:平田 良介(ドラゴンズ)
▼公式サイトではどのように紹介されているか
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UNDER ARMOUR
▼契約選手の人数は?
投手:3人 捕手:1人 内野手:4人 外野手:4人 合計:12人
12人の契約選手をかかえているアンダーアーマー。ジャイアンツのユニフォームサプライヤーでもあります。契約選手の顔ぶれを見ていただくと分かる通り、各球団の中心選手と契約を結んでいます。ただ最近、契約選手たちがグラブを他のメーカーに変えつつあることが若干の気がかりです。
▼契約選手は誰?
▼ポジション別の代表選手
・投手:山崎 康晃 (ベイスターズ)
・捕手:阿部 慎之助 (ジャイアンツ)
・内野手:松田 宣浩(ホークス)
・外野手:吉田 正尚(バファローズ)
▼公式サイトではどのように紹介されているか
Rawlings
▼契約選手の人数は?
投手:6人 捕手:-人 内野手:2人 外野手:1人 合計:9人
契約選手が10名以下となってきました。9名の選手と契約を結ぶRawlings。2/3が中継での露出が最も多い投手となっており、認知拡大に重きをおいた選手選定をしているのかもしれないですね。なお、スパイクの展開をしていない(2019年7月現在)ので、契約選手たちもスパイクを着用することはありません。
▼契約選手は誰?
▼ポジション別の代表選手
・投手:又吉 克樹 (ドラゴンズ)
・捕手:-
・内野手:坂口 智隆(スワローズ)
・外野手:加藤 翔平(マリーンズ)

出典:週刊ベースボールONLINE
▼公式サイトではどのように紹介されているか
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DESCENTE
▼契約選手の人数は?
投手:4人 捕手:1人 内野手:2人 外野手:1人 合計:8人
ユニホームのサプライヤーとしての印象が強いですが、実は近年、徐々にギアのユーザーを増やし続けているDESCENTE。
現在は8名の選手と契約を締結しています。
▼契約選手は誰?
▼ポジション別の代表選手
・投手:吉見 一起 (ドラゴンズ)
・捕手:伊藤 光 (ベイスターズ)
・内野手:外崎 修汰(ライオンズ)
・外野手:荻野 貴司(マリーンズ)
▼公式サイトではどのように紹介されているか
Xanax
▼契約選手の人数は?
投手:6人 捕手:1人 内野手:-人 外野手:1人 合計:8人
藤川球児投手のイメージが強いXanaxですが、実は8人のアドバイザリースタッフと契約をしています。
▼契約選手は誰?
▼ポジション別の代表選手
・投手:藤川 球児 (タイガース)
・捕手:杉山 翔大 (ドラゴンズ)

出典:日刊スポーツ
・内野手: –
・外野手:松山 竜平 (カープ)
▼公式サイトではどのように紹介されているか
asics
▼契約選手の人数は?
投手:3人 捕手:0人 内野手:2人 外野手:2人 合計:7人
サムライジャパンのユニホームサプライヤーを務めていますが、NPBにおける契約選手は実は7名のみとそこまで多くない現状です。
2020年に向けて、一気に他ブランドからのリプレイスに向けた攻勢をかけてくるかと思いましたが、今の所その様子はうかがえません。
ただし、契約選手として紹介はされていなくてもスパイクだけはasicsという選手は数多く存在しており、製品力の高さはやはりピカイチといった様子です。
▼契約選手は誰?
▼ポジション別の代表選手
・投手:涌井 秀章 (マリーンズ)
・捕手:-
・内野手:田中 広輔(カープ)
・外野手:丸 佳浩(ジャイアンツ)
▼公式サイトではどのように紹介されているか
久保田スラッガー
▼契約選手の人数は?
投手:-人 捕手:-人 内野手:5人 外野手:-人 合計:5人
▼ポジション別の代表選手
内野手のみ5名。メーカーとしての特徴がはっきり見えます。
ただし、ポジションを問わずにラベルをはがして使われるケースも多く、”所有者”という意味ではどのメーカーよりも多くの選手が保有しているグラブであると想像できます。
▼契約選手は誰?
▼ポジション別の代表選手
・内野手:浅村 栄斗(イーグルス)

出典:BASEBALL KING
▼公式サイトではどのように紹介されているか
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wilson
▼契約選手の人数は?
投手:2人 捕手:-人 内野手:2人 外野手:1人 合計:5人
高校野球ではそのシェアを急激に伸ばしているwilson。契約選手の一人でもある、中村勝投手の母校・春日部共栄高校ではその傾向が特に顕著です。
▼学校名#春日部共栄 (私立)
▼エリア
関東・東京▼道具について
グラブは圧倒的wilson率でした
(バッグもwilson)▼その他
捕手:石崎選手のキャッチングや打席に入った時の雰囲気から、
言葉にできない"何か"を感じました将来が楽しみです#道具からみる高校野球#センバツ2019観戦記 pic.twitter.com/3K2AxC095B
— バックネット裏@野球道具ブログ更新中 (@baseballbacknet) March 24, 2019
▼契約選手は誰?
▼ポジション別の代表選手
・投手:東 克樹(ベイスターズ)
・捕手:-
・内野手:外崎 修汰(ライオンズ)
・外野手:青木 宣親(スワローズ)

出典:SANSPO.com
▼公式サイトではどのように紹介されているか
UPSET
▼契約選手の人数は?
投手:4人 捕手:-人 内野手:-人 外野手:-人 合計:4人
ブランド名の「UPSET」には”番狂わせ”といった意味があり、選手とともに「アップセットしていく」という気持ちが込められているそうです。詳しくは以下の記事をご参照ください。
▼契約選手は誰?
▼ポジション別の代表選手
・投手:森原 康平(イーグルス)
▼公式サイトではどのように紹介されているか
ハタケヤマ
▼契約選手の人数は?
投手:-人 捕手:2人 内野手:-人 外野手:1人 合計:3人
契約選手3人中2人が捕手。残る坂口選手も外野手登録ながらファーストを守るケースが多く、ミットのハタケヤマを具体化する結果に。
前述の久保田スラッガー同様に、契約を結ばずに(?)使用している選手も多く、特に捕手においてはかなりのユーザーを確認しています。
▼契約選手は誰?
▼ポジション別の契約選手
・捕手:伊藤 光(ベイスターズ)

出典:産経新聞
・外野手:坂口 智隆(スワローズ)

出典:日刊スポーツ
▼公式サイトではどのように紹介されているか
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IP Select
▼契約選手の人数は?
投手:1人 捕手:-人 内野手:1人 外野手:1人 合計:3人
IP Selectでは契約選手を「クレアシオンパートナー」と呼んでいます。クレアシオン(creacion)はスペイン語で創造を意味しているそうです。
そんなクレアシオンパートナーを務める選手は以下の3人です。
▼契約選手は誰?
▼ポジション別の代表選手
・投手:山本 由伸 (バファローズ)
・捕手:-
・内野手:大引 啓次(スワローズ)

出典:週刊ベースボールONLINE
・外野手:筒香 嘉智(ベイスターズ)

出典:デイリースポーツ
ドナイヤ
▼契約選手の人数は?
投手:-人 捕手:-人 内野手:1人 外野手:-人 合計:1人
山田哲人選手が使用することによって一気に知名度を上げたブランド。契約を結ぶ山田選手自身も一般販売と同じ仕様のグラブを使っていることからも、一点一点の質の高さがうかがえます。
▼契約選手は誰?
・内野手:山田 哲人(スワローズ)

出典:週刊ベースボールONLINE
シュアプレイ
▼契約選手の人数は?
投手:1人 捕手:-人 内野手:-人 外野手:-人 合計:1人
NPBで唯一契約している選手は、中日ドラゴンズの鈴木翔太投手。カタログでも鈴木モデルが紹介されています。
高校時代から使用を続けており、メーカーと何かしらの関係があるのかもしれませんね。
▼契約選手は誰?
▼ポジション別の代表選手
・投手:鈴木 翔太(ドラゴンズ)
※ご参考:高校時代
▼公式サイトではどのように紹介されているか
adidas
※公式HP上に契約選手に関するページが存在しなかったため、ここで紹介する選手は私が契約しているであろうと推測で集計した選手になります。
▼契約選手の人数は?
投手:4人 捕手:-人 内野手:4人 外野手:1人 合計:9人
かつてのエースやこれからの日本球界の中心を担っていくような選手まで、「Impossible is nothing」のブランドステートメントを象徴するような(体現できるような)選手が9名該当した印象です。
▼契約選手は誰?
▼ポジション別の代表選手
・投手:則本 昂大(イーグルス)
・捕手:-
・内野手:高橋 周平(ドラゴンズ)
・外野手:西川 遥輝(ファイターズ)
▼公式サイトではどのように紹介されているか
-(※契約選手に関する情報ページ無し)
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まとめ
いかがでしたでしょうか。ここまで、各メーカーごとに契約選手をまとめてきましたが、改めて一覧で確認してみましょう。
ミズノの49人を筆頭に、14のメーカー(adidasを除く)で契約選手を抱えていることを確認しました。
紹介した選手の中には、数年前まで別のメーカーと契約を結んでいた選手もおり、水面下における契約争いは日々行われているものと想像できます。
この記事を読まれたことを機会に、プレーに加えて用具に注目してみるのも面白いかもしれませんよ。
読んで頂きありがとうございました!
いつも楽しく拝見しております。
アドバイザリースタッフ等、選手と契約する際、
球団にも契約金を支払う必要があるそうです。
ハタケヤマの社長から聞きました。ハタケヤマの社長とは面識があり、色々内部情報を教えもらいました。因みに業者ではありませんのでw
色々おしえてもらいましたので、よかったらお話しますね
コメントありがとうございます。
内部事情ですか・・・。どのような類の内部事情か気になります。
引き続きご覧いただけますと幸いです。
@baseballbacknet